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五月病と漢方医学

五月病と漢方医学

五月病とは?……  

五月病

 五月病についてお話しいたします。五月病という言葉は広く知られた言葉ですが、実は医学用語ではなく、現代医学では、適応障害と診断されます。五月病とは元来、大学入学後の学生が、5月連休あとくらいからうつ的気分にみまわれ、無気力な状態になる事からついた病名です。何も5月に限らず、また学生だけではなく、大卒者にも、一般人にも見られる病態です。五月病によく見られる症状とは、抑うつ気分、思考抑制、不安感、あせりなどで、不眠、強い疲労感、やる気がでないと訴える場合が多いようです。つまり、新たな環境に適応できずに、そのことへのあせりがストレスになり、"何とかしなければ"と思えば思うほど、深みにはまってしまうわけです。疲れているのに眠れない、食欲や性欲も減退し、皆にとけこもうとするがうまくいかずに自己嫌悪に陥り、最後には死んでしまいたいなどと考えてしまいます。大切なことは、本当のうつ病にまで進展しないうちにきちんと専門医の治療を受ける事が重要です。

漢方医学で考える五月病……  

五月病

 漢方の世界では、春先は「木の芽立ち」などと呼ばれノイローゼ、鬱病、ヒステリー、分裂病など精神神経科に属する病気が多発して、悪化しやすい時期とされていると言うことは先週もお話しいたしました。自然界では春になると木々がいっせいに芽を出し花を咲かせるように、人間も代謝が活発になり、五臓の中の肝「肝臓」が旺盛に活動し始めます。五臓の中で腎と肝の関係は腎が親で、肝が子供の関係になります。冬の間にしっかり腎が蓄えた栄養物(腎精といいます)を春になって肝が利用して、肝の働きが旺盛になり、春の芽吹きのように、身体の代謝が盛んになるのです。もし、冬場に過労で体力を消耗したり、夜遅くまで起きていることが続いたり、運動しすぎて汗を沢山出したりすると、汗も血液と同様ですから、腎臓の栄養素が消耗して、春になって肝の働くエネルギー供給が少なくなると、肝の気の働きが不十分となってこの五月病が起こりやすくなります。

ストレスと五月病の関係!……  

ストレスと自律神経

 また、ストレスが過剰になると肝の気の働きが過剰になって結果的に肝の本来の働き(疏泄作用と言って、気の流れや血液の流れを盛んにする働き)が不十分となり体内の気の流れが欝滞するようになります。そのためにイライラしたり、怒りっぽくなったり、または逆に鬱になって落ち込んだりします。この状態が長く続くと体調に変化が生じて、病院で自律神経失調症と診断される場合も多いようです。東洋医学では「病は七情から起こる」と言って、喜、思、憂、悲、驚、恐、怒の七つの感情の偏りが病気を引き起こすと考えます。このことは前にもお話しいたしました。漢字の病気という字は、気の病んだ状態を意味しているのです。五月病にならない為にも、漢方薬や春先の食養生で肝臓を立て直し、心を晴れやかに持ち、身体を積極的に動かすことが大切です。悩んだり、イライラすると、肝の気の働きが滞るばかりではなく、消化機能にも悪影響を与えます。食欲低下などを引き起こし、消化吸収機能が衰え、悪循環になりますので、注意して下さい。

陽虚(冷え症)の人が五月病になりやすい!……  

冷えは万病の元

 五月病、鬱症状や鬱病の方は基本にある体質は、陽虚(冷え症、疲れやすい、食欲がない人)冷え症で良く下痢をする人が、起こしやすいと考えます。陰虚、陰は物質ですから、体液が少なく、陽が強いですからイライラするとか、すぐ怒る瞬間湯沸かし器のような方は、何かあるとクヨクヨするのではなく、すぐ怒るわけですから、基本的に五月病や鬱病にはなりにくいわけです。ですから、陽虚のタイプの人は、体を絶対に冷やしてはいけません。疲れやすい人、食欲があまりない方、冷え症の方、良く下痢をする方などは、特に冷たいものを飲むこと、アイスクリームなどでお腹を冷やすことは控えて、温かい飲み物、温かい食事を摂るように心がけて下さい。とにかく、お腹を冷やすことが一番良くないと言うことがお判りになると思います。



倉敷市下山薬局

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